「禁止令」につまづく人たち
- シリーズ2

子供の頃に与えられる「禁止令」
赤ちゃんが生まれて間もなく、母親の手でコインロッカーに置き去りにされ、餓死寸前に救出されたとしましょう。
まだ言葉の分からない幼児でも、こんな恐ろしい体験をすれば「生きていてはいけない」という「禁止令」を受けたことを体全体で感じ取るでしょう。
禁止令とは、こういう幼い頃に味わった苦痛を伴う体験や、親が日頃から示した不合理な態度を子供の側からとらえ、分かりやすい言葉に言い直したものです。
この「生きていてはいけない」という禁止令を受けた赤ちゃんが、この後も「お前さえいなければ、私は離婚できるのに…」といった親の気持ちを、たとえ耳で聞かなくても、肌で感じながら育ったとしましょう。
禁止令は至上命令と化して、子供の心のなかに植えこまれていくことになります。
この子が将来、自殺するか、あるいはアルコールでゆっくり身を滅ぼすか、その方法は別として、自己破壊の道をたどってもさほど不思議ではありません。
他に年中「泣いちゃいけません」「騒ぐんじゃないの」などと言われ育つ子は、どんな禁止令のもとにいることになるでしょうか。
またことあるごとに「お前が男の子だったらねー」と、しょせん無理な親の希望を聞かされて育つ女の子は、これをどう受け取るでしょうか。
あらためて禁止令という面から人間をみてみると、どうしてもそれに縛られていると考えざるを得ない人がいます。
たとえば胃潰瘍や心臓病になる管理職の人は「倒れるまで働け、休んではいけない」という禁止令が関連していることが少なからずあります。禁止令には思いもよらないほど強い力があるのです。
☆次回からは「禁止令」が人生に及ぼす影響について、いくつかの例を紹介したいと思います。
